1万円でサイト作ります

かたすHPサービス

初仕事。実家に帰って商売を立て直すという逞しい女性の奮闘記

私の記念すべき初仕事は、東京から地元へと、引っ越しをされる方のお手伝いでした。

電話で依頼されて、指定された日の朝に作業場所に行くと、顔立ちはとても綺麗で、そして骨格というか体格がしっかりしていて、私よりも力のありそうな女性が・・・出迎えてくれました。仕事の内容は、粗大ゴミを集積所まで一緒に運び出すという作業です。街の歴史を感じさせる古びたアパートの二階から、表のスペースまで。エレベーターが無かったため、階段を何度も上り下りしました。

実家に帰るということで、粗大ゴミとして処分する家財が沢山ありましたが、前日までに普通ゴミはほとんど捨てられていて、ある程度の掃除もされていたので、作業はスムーズに進みました。しかし・・・暑い。7月のとある日曜でしたが、もうクーラーは外してあったので、ふたりとも汗だくになりながら、一緒に家財を運び出しました。

「さぁ、いくわよ。そこを持って!」
「はい…」

普通は便利屋(業者)のほうが経験があって作業に慣れているはずなのですが、もちろん私は初めての仕事。これまで引越しのバイトさえしたことがありません。でも、お客様はそのことには何も言わずに、一緒になって作業をしてくれました。力強くリードしてくれながら・・・(笑) その女性の方は、私よりも10年くらい人生経験が長く、いろいろな経験をされている方でした。20年間をこの地で過ごされたそうで、もうすっかり茨城弁も無くなっていました。

片付けの仕事をしながら、たくさんの話を聴かせてもらいました。20年前の街の様子や、近所に住む有名な方の話。このあたりには、たくさんいるのですね。そして、大正時代に世界を旅した祖父の話は、旅好きの私をワクワクさせました。なんと90歳で、世界を周る船の乗組員になったそうです。船で世界一周!海賊に憧れていた私が一番夢見ていることです。テレビは見ない子供でしたが、ガンバの冒険だけは大好きだったのです。たくさんの話を楽しく聴かせていただきながら、部屋の片付けのお手伝いをさせていただきました。そして、いくつかの貴重なプレゼントを貰いました。

まず一つ目は、大切に飼っていた二羽のセキセイインコ。私のこれからの生活は、このインコとの共同生活となりました。

セキセイインコ
セキセイインコ2

セキセイインコをお客様宅から自分の部屋へ持ち帰るとき、外は真夏の暑さだったので、木陰を選びながら慎重に歩いたのですが、それでもはやりインコは「何事だ!?」とビックリしたようで、バタバタと籠の中で騒いでいました。これは早く部屋の中に連れて行ってあげなければ・・・!と少し焦りながら早足で歩いていると、向こうからあるいてきた高齢者の男性が、「大変ですね!」とにっこり笑って話しかけてきました。

私は、「はい、ありがとうございます!」と、なにが”はい”で、なにが”ありがとう”なのか分からないままにとっさ答えたのですが、心の中では「えっ?」と思っていました。

私は大学を卒業してコンピュータ関係の仕事を始め、東京に来て8年間くらいになるのですが、すれ違った御近所の方からこのような声を掛けられたのは初めてだったからです。

この後も、便利屋の活動をする中で、様々な人から挨拶をされたり、声を掛けられるようになりました。朝、竹ぼうきで落ち葉掃除をしていると、道行く人はほとんど声をかけてくれます。これは、当時の私にとって、とても新鮮なことでした。

田舎だったら、当たり前のことかもしれません。長年そこに暮らしている地元の人だったら、日常の出来事なのかもしれません。でも当時の私にとっては、これまでには無いことで、考えられない事でした。特に何も思うこともなく満員電車に揺られるために駅まで往復していたのですから、それは誰も挨拶してくれないでしょう。

でも、便利屋(お役に立ち隊や)の活動を始めて、これまでになかったことが起こり始めたのです。地域に住む生活者の人が、見ず知らずの私に自然と声を掛けてくれる。東京に全く身寄りのいなかった私にとって、とても嬉しかったことでした。

ちなみにこの初仕事の時にいただいたインコは、今度は私が実家に暫く帰省するときに、別の便利屋さんに貰われて行きました。そして初仕事のお客様からの二つ目のプレゼントは、中村天風先生の本を二冊、戴きました。

「今日一日
 怒らず 怖れず 悲しまず
 正直 親切 愉快に
 力と 勇気と 信念とをもって
 自己の人生に対する責務を果たし
 恒に平和と愛とを失わざる
 立派な人間として生きることを
 厳かに誓います」

中村天風

とても勉強になりました。
当時の私は便利屋を始める前まで、パソコンでのデスクワークしかしていなかったので、初仕事の後の翌日と翌々日は、ひどい筋肉痛に悩まされました・・・(笑)

「これからも頑張ってください!」と、何故かお客様に励まされて、私の初仕事が終わりました。

ご依頼を頂いたA様、本当にありがとうございました。

ABOUT THE AUTHOR

喜泉堂
キッズプログラミングの記事を担当している、当サイトの運営・管理人です。京都の町家に住んでいます。夫婦と息子(3歳)の三人暮らし。個人で3つのサイト運用をするかたわら、Webコンサルティングやコンテンツ作成アドバイスをしています。話を聴くことと、コーチングが得意です。好きなものは、自然、海、温泉、動物、見知らぬ街。世界中を旅したい!
Return Top