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御結婚おめでとう!片付けができるようになってお嫁に行ったお客様

私にとって最高だったと言える仕事のひとつ。それがmさん宅の部屋の片づけです。

私がmさんの部屋を始めて訪れたのは、この仕事にもそろそろ慣れてきはじめたかなという感じで、少しだけ余裕と自信をつけ始めた頃でした。

久しぶりに新宿から中央線に乗ったら、●●で降りなきゃいけないのに、特急は一気に通過して遠くの駅まで連れて行かれ・・・。やばいやばい。余裕を持って出たはずが、ぎりぎり三時半の到着でした。

片付けの部屋は、ちょっと広めのワンルーム。
小柄で活発な女性mさんは、派遣で正社員並みに働きながら音楽関係の活動や写真の仕事など、公私ともに忙しく頑張っている方でした。さっぱりとした感じの性格で、「母親も片付けられない人だったんです〜」なんていいながら、初日はダイニングルームを片付けました。

とにかく、本と雑誌とCDとテープと、それから服が多いのが特徴でした。とりあえず今回は雑誌類を片付けて、次回は服を片付けることに。

「これから毎月一回依頼しますから、散らかしてしまわないようにアドバイスしてください!」なんて頼まれました。この部屋を、ゆくゆくは事務所として使いたいのだとか。お安い御用です!前向きに生活している魅力的な女性です。

そういえば、以前に部屋の片づけをした女性も、20代で若かったのですが、礼儀正しくて活発でさっぱりしていてすごく前向きな女性でした。コスプレをしていたので、あのときもとにかく服が多かった!!

アクティブな人生のお手伝いができて、「お役に立ち隊や」としても嬉しいかぎリです。最初の依頼が終わった後に、気に入っていただいてすぐ次の仕事の話を貰えると、自分が評価されたようで嬉しくなります。

これまでにmさんは、他の家事代行サービスや、時には流行りのメイド片付けサービス(執事付き^^;)にも頼んだことがあるとか。でも、長続きしなかったとのことで、これが三度目の挑戦だそうです。今回は片付けられるようになれるよう、頑張りましょう!

二回目の依頼では、衣類の整理をして、役に立っていなかった机を復活し、パソコン環境を整えました。徐々に部屋が活気付いてきて、仕事をしているほうも楽しくなってきます。

そして次は、いよいよ押入れの整理整頓!その押し入れの中は、年季の入ったダンボール箱。開けてみないと何が出てくるか分からない、お宝ダンボール玉手箱なのです。で、じっさいに開けてみると・・・「あぁ〜、これはどうしようかーー?」と、二人で頭を悩ませるのです。

翌月、翌々月と片付けの依頼を重ねるとともに、季節も流れて行きました。冬のはじめ、なんだか妙な寂しさを肌で感じる季節です。mさんは度々、精神的に落ち込んで元気のない日がありました。そんな時は、片付けの最中も、ずっとずっと泣いているのです。

「ごめんね。こんなミンミン泣いてばかりで・・・」

そういうmさんに

「いえいえ。ぜんぜん平気です、大丈夫ですよ!」

と答えて、黙々と片付けを続けていきます。
部屋の片づけも回数を重ねると、捨てて良いものと残しておくものや、どこになにを収納したらよいか、だんだんと分かってきて、いちいち依頼者に確認しなくてもよくなってきます。

散乱している床の上から、通院しているのでしょう。薬の袋と、錠剤や粉薬が出てきます。わたしにはそれがどんな薬で何のために飲んでいるのか、知識はありませんし、mさんに聞くこともありません。でも、こんなとき、どのような言葉をかけてあげたらいいのでしょう?もっと私にコミュニケーションスキルがあれば!カウンセリングとまではいかなくても、少しでもこころを楽にしてあげられることができたなら。

そうおもって色々とインターネットで検索し、“これは!!”とおもう講座が見つかりました。それは、当時私の住んでいた町で講座が開かれていた“日本メンタルヘルス協会”のカウンセリング講座です。

日本メンタルヘルス協会 http://www.mental.co.jp/

ここでは、精神的に悩める人々へのカウンセリングというよりも、普通の人々をより精神的に開放し、向上するためのカウンセリング、コミュニケーションを普及する活動をしています。さっそく日本メンタルヘルス協会の体験ゼミナールに参加し、衛藤先生の関西トークに爆笑し、基礎コースの全編までを修了したのです。ここで学んだことや、衛藤先生ほか講師の方々のマインドや考え方、心理学の基礎知識、そして一緒に受講した方々からは多くの影響を受け、今の自分の糧となっています。

お役に立ち隊やの活動をしていると、ときどきお客様から食事や遊びなどに誘われることがあります。私の場合、そのようなときは少し考えてから、今後の依頼やお客様との関係に悪い影響を与えない場合は、素直にありがとうとお受けすることにしています。「いえ、仕事ですから。」とお断りしても良いですが、人と人、個人と個人の付き合いをするお役に立ち隊やの場合は、あなたが問題ないと判断したならば、そうして良いと思います。

mさんとも、部屋の片づけの後、一緒に食事に行ったり、収納グッズの買い物に立ち寄ったりしました。一緒にご飯を食べながら、mさんのこれまでの生活や、これからの夢をお聴きしました。

「片付けられるようになって、もう一度結婚したいんです!」
「はい!分かりました。mさんが結婚するまで、お手伝いします!」

そう言いながら、いつか本当にそんな日が来るといいなと願っていたのです。

私はお客様と仲良くなると、お客様の良いところや出来ること、得意なことをお役立てするため、無理のない範囲で仕事をお願いしてしまうことがあります。mさんは、写真撮影がとても上手でした。それは趣味の範囲を超え、プロになるための講座や教育も受けていて、セミプロレベルの腕前を持っていたのです。

あるとき私のところに、結婚式の写真撮影の依頼が来ました。この依頼の問い合わせを受けた時、私は安いデジカメしか持っていませんでしたし、そもそも写真撮影の技術も何ももっていません。最初は断ろうかと思っていたのですが、駄目もとでmさんに聞いてみました。そうしたら、引き受けてくれると言うのです。さっそく私は、結婚式撮影の問い合わせをしてくれた依頼者に連絡し、話を進めていきました。依頼者は、花嫁のお父様でした。

そして結婚式の当日、mさんは素晴らしい活躍をしてくれたのです。彼女が作成した結婚記念フォトアルバムCDは、ご依頼者から大変喜ばれ、感謝されました。このほかにも、代行の仕事を頼んだことがありました。そのときは急遽、何人かのスタッフを確保しなければならなかったので、mさんに応援を頼んだのです。彼女は、自分だけでなく、知人の男性も連れてきてくれて、本当に助かりました。その男性は30代半ばで、バスの運転手をしているという、真面目そうな青年でした。「お役に立ち隊や」の活動がきっかけで、いろんな縁がつながっていきます。

一方で、mさん宅の部屋の片づけは、着々と進んでいました。
出張の多い営業の仕事と、個人的な活動である音楽と写真(将来はレコード関係の仕事で独立希望)をこなし、多忙な生活の彼女は、ときには関西への出張が立て続けに入り、出張カバンに必要なものを詰め込んでは関西へ行き、部屋へ戻ったら疲れ果てて眠り、次の出張には別の出張カバンに必要なものを詰め込んでまた出かけ、次の出張にはまた別のカバンで出張に出かけ・・・という生活パターンに陥ることもありました。

そんなときは、中身の入ったままのカバンがたくさん放置されていて、前回片付けた状態に戻すまで作業時間の半分以上を費やすこともありました。時間がなくて散らかってしまうのは仕方がないとして、時間のあるときに一緒に片付け作業をして整理や収納のアドバイスをしたり、もう既にあるものや、すぐに使わないもの、不要なもの/同じものは何度も買い込まないようにと、時間をかけてカウンセリングをしていきました。

でも、なかなか解決できない問題も発生していました。
彼女は写真や音楽が、仕事ともいえる個人的な活動となっており、写真のネガやビデオテープ、CD,DVDがどうしても捨てられなかったのです。どんなに片付けて整理整頓して収納しても、ワンルームのアパートでは限界があります。

「もっと広い部屋に住めたらいいねー」とmさんは言っていました。

今はデジタルの時代ですから、過去の情報や写真、音源などをデジタル化してパソコンに入れていく方法もありましたが、そのような予算を確保できるほど金銭的な余裕もありませんでした。

「そのときは、結婚して新居を構えるときですね!」

と私はそう答えながら、彼女の心の変化を待ちました。“もうこれは自分にとって必要ない”と彼女が思えるようになる心の変化です。

そのために、私はmさんの話を聴き続けました。
信頼関係をしっかりと構築し、彼女に“その時”がやってきたときに、私の言葉が彼女の元へ届くように。いまは無理でも、いつか、「捨てましょう!」ってアドバイスできるように。

mさんの依頼は長期に渡りましたが、それにつれて依頼の間隔は長くなり、二か月に一度、三か月に一度というふうになってきました。といっても、最初の状態に戻ってしまうようなことはなかったので、あまり心配はしていませんでした。

そして半年くらい依頼がなく、どうしてるかなとそろそろ思い始めたころ・・・mさんから連絡がありました。

久しぶりの仕事の依頼です。その電話口で、彼女から嬉しい報告を受けたのです。

「わたし、結婚することになりました!」

もう本当に嬉しかったです。飛び上がらんばかりに喜んで、部屋の中をウキウキと歩き回ったものでした。

そして片付けの作業にお伺いした日、mさんから色々とお話をお聴きしました。
お相手は、なんとあのバスの運転手さん!mさんよりも5歳くらい若く、働き盛りで、しっかり貯金もしている青年です!!

私はついに、云うべき時が来たと思いました。
“もう必要なくなったものは、捨ててしまいましょう!”と・・・

・・・・・でも、私がこのセリフを言う事はありませんでした。

彼女が言ったのです。

「もう必要ないものは、さっぱりと捨てちゃおうと思います!!」

“うん。そうですね。” 私はただ頷くだけでした。

mさんからの最後の依頼は、引っ越し前の部屋の片付けになりました。彼女が使っていた冷蔵庫は、当時私のところに見習いに来ていた新人の便利屋に譲ってもらいました。

彼女は、旦那さんと一緒に、新居を購入しました。埼玉県の郊外なので、きっと広いスペースのある家なのでしょう。そして、これからは旦那さんと一緒に片付けをしていくのでしょう。私の役目は終わりました。

そうして、mさんはお嫁に行きました。

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喜泉堂
キッズプログラミングの記事を担当している、当サイトの運営・管理人です。京都の町家に住んでいます。夫婦と息子(3歳)の三人暮らし。個人で3つのサイト運用をするかたわら、Webコンサルティングやコンテンツ作成アドバイスをしています。話を聴くことと、コーチングが得意です。好きなものは、自然、海、温泉、動物、見知らぬ街。世界中を旅したい!
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