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子どもと災害を乗り越える

先日、東京都に住まう全家庭に「東京防災」という防災ブックが配布されました。

東京防災東京防災

東京防災

東京防災の内容は、上記のページでも読むことが可能です。

東日本大震災を機に、災害への意識を改めて見直し、防災に努めているというご家庭も少なくはないのではないでしょうか。

災害は、地震だけではありません。水害、土砂崩れ、噴火、豪雪――それらが引き金となる火災など、私たちの周囲には、いつふりかかるかわからない、さまざまな脅威が存在します。

昨今、多くの災害を身近に感じるようになった反面、震度4、5レベルの地震にはすっかり慣れてしまうなど、パニックにならない代わりに油断をしてしまっているという傾向もあります。

それに加えて、小さなお子さまのいる家庭では、一般的な防災対策のみでは不十分であったり、災害発生時にとっさにとるべき行動も変わってきます

では、いざというときに、子どもの命を守るには、一体どうすれば良いのでしょうか。

防災対策 家の中にセーフティゾーンを作る

まずは家の中に、そこにさえいれば絶対に大丈夫、という安全な空間を作りましょう。

いつおきるかわからない災害時、例え一緒に家の中にいたとしても、必ず保護者が子どものすぐ隣にいられるとは限りません。例えば自身の場合、トイレに行っているあいだに、隣の部屋にティッシュを取りに行った瞬間に、揺れが来ることだってあり得ます。揺れがひどければ、隣の部屋に戻ることも困難かもしれません。

そんなとき、子どもの命を守ってくれるのは、家の中に作った「絶対に安全な空間」です。

子どもが普段、最も長く過ごす場所を、家の中で最も安心で安全な空間にしてしまいましょう。

家の中全てを、完璧な防災空間にするのは難しいことかもしれません。ですが、せめて、子どものいる場所だけでも安全を確保しておけば、大人自身も、いざというときにそこに逃げ込んで身を守ることができます。

<安全な空間をつくるためのポイント>

安全な空間を作るためには、注意しなくてはいけないことがあります。
それは、子どものいる家庭では、子どもの目線にまで下がって防災対策を整えていく必要がある、ということです。

大人にとっては低い家具でも、子どもにとっては大きく危険なものがあります。地震がおきれば、家の中にある全てのものが凶器になるのです。揺れ方や、揺れの大きさによっては、家具や日用品はただ倒れるばかりではなく、横にも飛ぶということ忘れてはいけません。

・倒れてこない
・落ちてこない
・飛んでこない
・割れない

この四つに注意して、子ども目線で、絶対安心な空間作りをしてみましょう。

災害発生時 抱っこはNG 亀のポーズ

いざ、揺れが来たときに、子どもや赤ちゃんをとっさに抱っこするのは、実は危険です。
互いの頭を守ることができず、ひどい揺れでは、子どもを支えきれずに飛ばしてしまうこともあるといいます。

子どもと一緒にいる時に揺れが来た場合には、亀のポーズをとりましょう。

子どもには、大人の足のあいだに頭をいれ、うつ伏せで丸くなってもらいます。大人は、丸くなった子どもの背に覆い被さるようにして頭を伏せます。振動で子どもの体が飛び出してしまわないように、大人は子どものお尻を抱くようにすると良いでしょう。

私たち大人は、幼い頃の避難訓練で、揺れが来たらまずは火の元を消すということを教え込まれてきました。ですが、現在では、火よりもまず身の安全を守ることを優先するように指導がなされています。

各家庭の設備により違いますが、大きな揺れでは自動的に火が止まる仕組みもありますし、そうでなくとも、火の手が回るまでには数十秒から数分の猶予があります。

まずは、揺れがおさまるまで生き残る、ということを優先しましょう。

災害発生時② 火災がおきても、赤ちゃんの口を塞がない

火災がおきてしまったとき、一番気をつけなくてはいけないのは有毒な煙だ、という知識は広く知られています。

ですが、だからといって、赤ちゃんの口や鼻をハンカチなどで覆ってはいけません
赤ちゃんは気道がとても小さいので、強く塞ぐと、すぐに窒息してしまいます。

そんなときは、大人の服の中に赤ちゃんを頭ごと入れたり、布で赤ちゃんの全身をくるんだり、呼吸を確保した上で煙を直接吸い込まないような方法を取りましょう

<煙が広がるのを防ぐには>

出火元の部屋が目の前にあったならば、まず第一にその部屋の扉を閉めます。これだけで、煙が広まるのを遅くすることができます。火災での死因のほとんどは煙によるものです。扉をひとつ閉めるだけで、避難できる確率が上がります

煙が白いときは、短い距離ならば、呼吸を止めて一気に駆け抜けてしまいましょう。黒い煙は、姿勢を低くして、床に残っている空気を吸いつつ、壁づたいに避難します。煙は白から黄色へ、黄色から黒へと変わり屋内に充満し、黒い煙では視界が利かなくなりますが、慌てずに、決して戻らずに進みましょう。

火災が発生した際に、煙が広がらないようにするためには、火の元の周りを整理整頓しておく必要があります。
例えビニールのひとつでも、それが燃えた時に発生する煙は部屋を満たすほどになります。火の元の周りをきちんと整理整頓しておくことで、初期火災での煙の量を減らすことができるかもしれません。

災害発生時③ 洪水では長靴をはかない

洪水が起きたとき、市街地での死因の大半は、冠水して見えなくなったマンホール・側溝・排水路等への転落や、道路にはまり身動きがとれなくなってしまうというパターンです。なので、長い棒などで足元を確認しながら慎重に進みます
子どもは、大人よりも足や体が小さいため、大人では足を取られない場所にもはまってしまう危険性があり、特に注意が必要です。

また、見えなくなった水の中には何が落ちているかわかりません。裸足は危険です。ですが、長靴をはくのはやめましょう。脱げやすいため、やはり危険です。しっかりと紐をしめることのできるスニーカーが望ましいです。

水位が膝上にまで来てしまうと、浮力により歩行が難しくなります。それより浅くとも、流れが速い場合は足元をすくわれてしまいます。
子どもは、わずかな水深であっても危険です。浮き輪やロープで、安全を確保し、出来る限り浸水していない場所を歩きましょう。水位が浅く、子どもが自身で歩くことができるようでも、はぐれないように、子どもと大人、互いの体をロープで結びます絶対に、目を離してはいけません

洪水の際は汚水も溢れてきます。幼児はベビーバスなどを利用して、安全を確保しましょう。

水害の際、独断で行動するのは危険です。指示に従いながら、必ず二人以上で避難します。洪水ハザードマップは日頃から確認しておくことが大切です。

津波の場合は、より遠くへ逃げるのではなく、より高くへ避難します。洪水と違い、波の押し寄せる速度はとても速いです。一度引いても、二度三度と繰り返し来るのも特徴です。

日頃から非常階段を使用する

いざというときに、パニックにならないために、日頃から時々でも非常階段を使用するようにしておくことも大切です。普段から使用していないと、いざとなっても、非常階段があることさえ思い出すことができない場合があります。

緊急時にとっさに行動するためには、その行動をある程度習慣化することが大切です。

生き残るということ 訓練の意味①

防災や、災害発生時の行動に、決まった正解はありません。
最も大切なのは、「生き残ること」です。
その瞬間瞬間で、生き残ることを最優先に考え、行動しましょう。

避難訓練も、消火訓練も、いざというときに「生き残るために冷静な判断ができるように」、パニックにならないために行っているということを忘れずにいてください。状況を冷静に見る分析力、そこから生き残るためにはどうするべきかを見極める迅速な判断力。訓練はこれらの力を底上げするためのものでもあるのです。全ては、私たちがいざというときに、生き残るために行っています。

揺れているときに屋外へ飛び出すのは危険だというのはよく言われていることですが、築年数のある古い家で倒壊の恐れのほうが大きければすぐに屋外へ逃げる必要があります。
津波や川の氾濫の恐れがあれば、避難所よりもまず高台を目指さなくてはなりません。ですが、水害や火災などの緊急性がなければ、地震発生直後は電線や看板が落下して来たり、地割れがあったりなど危険なため、外の状況が落ち着くまでは自宅で様子を窺がうほうが安全な場合もあります。

訓練はとても大切なことですが、それが常に絶対のものではない、ということを忘れてはいけません
災害発生前も、発生後も、目標はいつだって「生き残る」ことなのです。

最後に私たちを守ってくれるもの 訓練の意味②

最後の最後、自分と子どもを守ってくれるのは、生き残ろうという強い意志です。

災害の発生時、私たちがなによりも優先しなくてはならないのは、家財や避難後の安定した生活ではなく、その瞬間を生き延びることです。入念に用意した防災グッズや、思い出の品、財産に至るまで、場合によっては、それら全てを捨てる覚悟が必要になります。最も大切なのは、いつだって命なのです。

万が一、保護者である私たちが先に絶命してしまったら、幼い子ども、特に赤ちゃんは自らの力で危機を乗り越えることがとても難しくなります。だから、小さな子を抱える私たちは、なんとしてでもまず、自分が生き残らなくてはなりません。

常日頃から逼迫した危機感を持ち続けて生活をしていたら、すぐに疲弊してしまいます。防災対策は、そうならないための心の拠り所でもあるでしょう。ですが、いざというときにはその拠り所さえも捨てて、命だけを選ぶことができる意志の強さが、最後の、そして最も重要な、防災対策となり得ます。

それでも、もしも先に大人が亡くなってしまったら。子どもが一人で災害に出くわしてしまったら。
そんなとき、子どもが生き残るための行動を自ら取ることができるように、大人だけではなく、子どもとともに行動の意味を考えながら、訓練にあたることが大切なのです。

ABOUT THE AUTHOR

土下すわる
フリーライター。1985年生まれ。記事:海外デザインの紹介記事など。 小説:『ぬいぐるみの父』幻創文庫(PN藤村悠生) PBW:『三千界のアバター』(株)フロンティアワークス(GM藤村悠生)
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