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内容よりも感情を記憶――6歳までに発達する「愛着の脳」を理解して、子供の叱り方を見つめ直す

生まれてから目覚ましい成長を遂げる脳――その中でも、6歳までの幼児期に発達するといわれるのが、大脳辺縁系という場所です。

この大脳辺系が、実は「愛着の脳」とも呼ばれていることをご存知でしょうか?

扁桃体は、繰り返される愛情によって発達する

嗅覚教育と感受性の記事でも触れましたが、大脳辺縁系は、扁桃体や海馬などの、本能的な情動、つまり感情を司る部位だと言われています。

とりわけ扁桃体は、感情的な記憶回路とも言われます。
扁桃体は通常、視床から伝わった危険信号により脳と身体を緊張ホルモンでいっぱいにする役目を担っています。緊張、恐怖、不安を高めますが、例えば赤ちゃんの場合、母親の肌やお乳の匂いを充分に嗅ぐことで扁桃体に安心感が埋め込まれると、その緊張を解くことにつながります。

こういった、保護者とのやりとりを積み重ねることで発達することから、大脳辺縁系は「愛着の脳」と呼ばれているのです。

子どもは内容よりも、感情が記憶に残りやすい

子どもの記憶の特徴として、強い感情に結びついた出来事や経験こそよく記憶される、というものがあります。

しかし、その経験が嫌なものであった場合では、その出来事の内容ではなく、それによってもたらされた嫌な感情だけが記憶に残ることがあるようなのです。
嫌な出来事は思い出すたびに苦痛を伴いますので、感情のほうのみを記憶するというわけです。

子どもを叱るときに感情的になってはいけないと言われる理由は、どうやらここにありました。

子どもにとって、叱られるというのはとても辛い体験です。叱る側が感情的になればなるほど、子どもは強い恐怖や不安を感じることになります。そして、子どもの恐怖が強ければ強いほど、そしてその体験が辛いものであればあるほど、子どもはその内容を忘れてしまう、ということが考えられるのです。

子どもには、叱られたときに感じた、「辛い」「怖い」という感情と「怒られた事実」だけが記憶され、「どういう経緯で怒られたのか」という内容は忘れてしまいます。詳細に思い出すことは、新たに恐怖を体験することと同じなので、そうならないようにしているのです。

つまり、子どもに恐怖を与える叱り方では、何度繰り返しても本当に伝えたい内容は子どもに伝わらないばかりか、記憶してもらうこともできないということになります。

何度繰り返し叱りつけても覚えてくれない――それは子どもにとっては自然なことでもあったのです。
子どもに身につけて欲しいことがあるならば、私たち保護者自身がまず、こういった子どもの記憶のメカニズムを理解することが大切になります。
そうして、子どもがきちんと出来事を記憶できるように、冷静に物事を伝え、教えていく姿勢をとれるよう、私たち自身も自己制御能力を高めていく必要があるのです。

蓄積される記憶

嫌な記憶は、出来事よりも感情がよく残る、というのは、大人になってからも身に覚えのある話ではないでしょうか。何かを思い出そうとしたときに、その詳細よりも先にムカムカとした感情が蘇ったり、ふと涙腺が緩んだり、大人でもそういった経験があるのではないかと思います。

潜在的な記憶は、日頃は封印されていてもきちんと蓄積されていて、その記憶の検索、分析を無意識で行う結果、初めての場所、初めての状況でも、「なんだか嫌な予感がする」「なんだか良い結果につながる気がする」というような予感に繋がったりもします。

そういった危機察知能力や、予感はとても大切な能力のひとつです。
けれども、将来子どもが不必要な「危険な予感」にばかり苛まれることがないよう、不本意な恐怖よりも、たくさんの「良い予感」を抱くことのできる安心感をたくさん蓄積してくれるように、私たちにもまだまだ工夫できるところがあるのかもしれません。

**参考サイト様**
『記憶のメカニズム』
『記憶の発達』
はぐりぃ らぶりぃ 『脳と発達』

ABOUT THE AUTHOR

土下すわる
フリーライター。1985年生まれ。記事:海外デザインの紹介記事など。 小説:『ぬいぐるみの父』幻創文庫(PN藤村悠生) PBW:『三千界のアバター』(株)フロンティアワークス(GM藤村悠生)
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