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幼児でもできる簡単食育① 遊びの中で、五感全てを使う料理教育

平成17年7月15日に施行された「食育基本法」より、早十年が経ちました。
現在、食育というキーワードは、すっかり馴染みあるものになったのではないでしょうか。

食育基本法とは、

国民が健全な心身を培い、豊かな人間性をはぐくむため、食育に関する施策を総合的かつ計画的に推進すること等を目的 (厚生労働省 食育の推進

としたものであり、厚生労働省では、

(1)国民健康づくり運動の推進(「健康日本21」の推進)
(2)子ども・子育て支援(食育の推進について)
(3)食品の安全に関するリスクコミュニケーションの取組

という、3つの柱で食育を推進しています。

食育とは、ざっくりと言えば食に関する教育のことを指します。
ですが、その教育の内容は、実は多岐にわたっているものだということは、まだまだあまり知られていないのが現実です。

食育は、

国民一人一人が、生涯を通じた健全な食生活の実現、食文化の継承、健康の確保等が図れるよう、自らの食について考える習慣や食に関する様々な知識と食を選択する判断力を楽しく身に付けるための学習等の取組み (ウィキペディア 食育

であり、

単なる料理教育ではなく、食に対する心構えや栄養学、伝統的な食文化、食ができるまでの一次産品および二次産品の生産についての総合的な教育のこと (ウィキペディア 食育 )

をさしています。

食育というキーワードは知っていても、いざ、では何をすれば良いか、と考えると途端にぼんやりしてしまいがちなのは、もともと食育という教育は、幅広く、且つそれぞれが複雑で奥深い分野だからなのです。
なんだか、くらくらしてきてしまいますね。

生きていく上では必ず「食べる」という行為を行う以上、食育が私たちにとってとても大切な教育のひとつであることは間違いがありません。
……なんだか、こう書くと、何だか食育というのは、とても難しいもののような気がしてきてしまいますが、実際はそんなことはありません。

食育は、生まれてすぐ――もしくは、生まれる前から始まっているともいえるもので、決して難しいものではないのです。

そこで、今回より何度かにわけまして、幼児でもできる簡単な食育について、種類別にご紹介していきたいと思います。

第一回目は、食育の代表「料理教育」です。
まずは、幼児とともに料理をするコツや、年齢別のお手伝い内容などの視点から、まとめていきたいと思います。

遊びに取り入れる料理教育で、お手伝いを習慣化

五感の全てを使う料理は、食育であると同時に、五感教育としてもとても有意義な教育です。

是非、親子で一緒に料理を楽しんでみましょう。
けれども、実際の料理を本当に手伝ってもらうと、時間がかかったり、汚れ物が増えたりと、手間がかかってしまっていらいらしてしまうこともしばしば……。

ですが、ご安心ください。そんなときは、発想の逆転です。
親子での料理は、子どもとの遊びであると考えれば良いのです。

普段、子どもと遊ぶ・料理をする、という二つのことを順に行っているなかに、親子で一緒に料理をしようという項目を追加する場合、「料理をする」というカテゴリの中に「一部を子どもに手伝ってもらう」という項目を加えようと考えがちです。
けれども、子どもと一緒に作業をするのは、結構大変なことですよね。料理の時間が圧迫され過ぎないようにと、子どもがお手伝いできる時間やポイントもどんどん制限されていきがちになります。それでは、せっかくの食育が駆け足になってしまい、子ども主体の料理が難しいものになってしまいます。

ですので、親子で一緒に料理を楽しむ場合は、「子どもと遊ぶ」というカテゴリの中に料理を加えるようにする、という気持ちで挑んでみることにしてはどうでしょうか。

子どもと一緒に粘土遊びをするのと同じです。遊びとして、「お手伝いしてくれる?」と言って料理に誘ってみましょう。そうすれば、料理の時間はいつも通り確保できる上に、プラスで一品おかずを増やすことができるのです。

午前中の遊びの中でお昼ご飯や、お昼ご飯にプラスするおかずを一品作ってみたり、午後の遊びの中で、おやつや夕飯のおかずを作ってみたり。
子どもにとっては、お手伝いや料理も楽しい遊びのひとつになります。
むしろ、遊びの中でお手伝いをしてもらうことで、お手伝いは楽しいものという認識と習慣を身につけてもらえるようにもなります。お手伝いと遊びをわけると、子どもは次第に、「これは遊びとは違うものなのだ」と覚えていってしまいますので、習慣化させたいものこそ、遊びの中に取り入れていくほうが良いと言えるでしょう。

ここで忘れてはいけないのは、「お手伝い」であったとしても、「子どもの自発的な行動を促す、自由な余裕を作ってあげる」ということです。実際の主導権は保護者にあったとしても、子どもに任せたものは、子どもの主導で最後まで達成させてあげましょう。

年齢別、料理のお手伝い

料理のお手伝いは、二歳半ごろを目安に、何かを挟む、乗せる、混ぜる、こねる、などの簡単な作業から始めると良いようです。

パンにハムやチーズを乗せる。切ったパンの隙間に野菜を挟む。小麦粉と水を混ぜる、混ぜたものをこねる。ごはんの真ん中に具材を乗せてもらって、それを保護者がにぎったり、料理の盛り付けの最後にグリンピースなんかを飾りつけてもらったり、ということもできますよね。

三歳ごろになれば、ラップをつかって自分でライスボールを作る、餃子の皮をを閉じる仕上げをする、など少し細かい作業もできるようになってきます。同じ要領で、クッキーなどをある程度形成することもできます。
この頃までは、汚れた手をつい舐めてしまったり、汚れたまま目を擦るなどしてしまっても、大丈夫な食材を使うほうが良いでしょう。

四歳ごろになれば、本格的な料理もできるようになります。
ある程度自制もできるようになってくる頃ですので、ハンバーグや肉団子など、生のまま口に入れてはいけないお肉などに直接触れるお手伝いもできるようになるのです。
クッキーなども、それまでよりはしっかりとした形成ができるようになってきますので、任せられる範囲がぐんとアップする時期であるとも言えます。

幼児用の包丁を持ち始めるのに適しているのは、五歳くらいからだと言われています。
卵を割ったり、ホットプレートなどを使って、熱を通す作業にも参加できます。
ここまでくると、一緒に作ることのできる料理のレパートリーはとても多くなりますよね。卵を割って混ぜて、それをホットプレートで焼いて、パンを切って、そこに焼いた卵を挟む、という、それまでの総集編のような、一連の作業を任せることもできるのです。

五感を意識する

五感教育として、とても優秀と言える料理教育なので、ここで五感を意識しない手はありません。

<視覚>
彩のある食材を揃えてあげましょう。ハム、卵、プチトマト、キュウリ、などなど。色が偏らないように、2色でも良いので彩を意識して食材を用意し、「綺麗な色だね」など、色についての声かけもさりげなく行っていくと、子どもも彩というものに気付いて目を向けてくれるようになっていきます。

<聴覚>
レタスを折り畳むときの音、マヨネーズが容器から出る音、千切る音、焼く音、……料理には様々な音があります。意識しなければ聞き流してしまうような音でも、なるべく耳を傾けてくれるように、「どんな音がするかな~?」などの声かけをしてみましょう。

<嗅覚>
最近、注目を集めている嗅覚教育の最たるものと言っても過言ではないのが、料理教育でもあります。是非意識的に取り組んでおきたいものです。
食材の匂い、混ぜたあと、切ったあとなどの匂い、焼いた匂い、などなど。「どんな匂いがする?」という声かけは、どんどんしてあげると良いでしょう。

★嗅覚は、五感の中で唯一、辺縁系に直結した器官であり、近年注目をされ始めている感覚器官です。匂いの教育、すなわち嗅覚教育については、「嗅覚教育が、幼児の感受性と、脳の発育を促す」の記事にて詳しく触れています。

<触覚>
食材の肌触りは、ひとつひとつ違っています。加えて、それをつまむ、持つ、潰す、千切るなどするときの力加減も、食材によって違いますよね。何かをこねるときは、次第に変化していく触感を繰り返し感じる事が良い刺激になります。これもやはり、声かけによって、硬さや、形、質感などを意識することで、より細かな触感の違いを感知できるようになるでしょう。

<味覚>
料理教育の醍醐味でもありますよね。
自身で作ったものを食べることで、その味わいは、普段よりも自然と深いものになります。
れが何で出来ているのか、どのようにして出来たか、というのを知っていることで、食材ひとつひとつの味や食感を感じることができるのです。
何故、どんな高級な食事よりも、家で作ったごはんがおいしいかというと、その料理にどれだけのものが含まれているのかを実感しているが故に、深く奥行きのある味として感じることができるから、ということでもあります。

見て、聞いて、手に取って、嗅いで、そして味わってみる。
五感は、少し意識するだけで、とても奥深い世界を体験することができます。
その全てをフルに活用できる料理教育の強みを、是非意識的に生かしてみてください。

 

ABOUT THE AUTHOR

土下すわる
フリーライター。1985年生まれ。記事:海外デザインの紹介記事など。 小説:『ぬいぐるみの父』幻創文庫(PN藤村悠生) PBW:『三千界のアバター』(株)フロンティアワークス(GM藤村悠生)
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